PANIC8plus・パニックエイトプラスは、360度をゾーンが取り囲んでいるハッテン型スペースです。
入場制限があり19歳から45歳まで、もしくは見た目年齢が45歳以下の人が利用できます。
客層は20~30代のゲイが中心で、清潔感があることからキレイ目やおしゃれなゲイも多く利用しています。
店内が広いことからボックスの外を360度一周できる余裕があり、客は地元客に限らず、出張や旅行客が多く利用しているのも特徴です。
また相手の顔を十分に確認できる明るさでありながら、暗闇のようなエロさがあり、ノリよく大胆になることができます。
住所 | 大阪市北区兎我野町13-2 平田第1レジャービル2F 21 |
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アクセス | 梅田駅から徒歩10分 |
営業時間 | 15:00~23:00 |
定休日 | 年中無休 |
料金 | 1500円 |
公式サイト | http://8298.w-wd.jp/index.html |
SNS | https://x.com/panic_8 |
電話番号 | 06-7163-3232 |
PANIC8plus・パニックエイトプラスの体験レポート
場所は、泉の広場から兎我野町方面へ徒歩数分。
「パチンコ123」の光がまぶしく、汗ばんだ街角。
見上げると、いかにもテナント空きがちな雑居ビルが。
いや、それすら擬態かもしれない。
私の中で、この建物はすでに遺跡だった。
エロスとノスタルジアの遺跡。
入口の階段が、異様に急で狭い。
まるで心理テストのような角度。
「この傾斜を登るあなたは、変態ですか?」と階段が語りかけてくる。
そして、階段を登り切ったところにひっそりと開かれた自動ドア。
それは、現実から逸脱するためのゲートだった。
360度ゾーン、襲来
靴を脱いで入場すると、まず視界が混乱する。
そこには、照明でも壁紙でも家具でもない、概念があった。
「まばゆさ」である。
説明不能のキラキラ空間。
ミラーボールというより、無数の内なる煩悩が可視化されたような光。
中央に八角形のボックスがドン。
その周囲にズラリと並ぶ個室ブース。
ひとつひとつの扉は閉じられているが、
「中が見えるようで見えない、見えないようで見える」という、実にいけない設計だ。
私は心の中で叫んだ。
「設計した奴、出てこい!!!天才だろ!!!」
キャタピラ式ロールカーテンという名の哲学
この施設最大の特徴。
それが「キャタピラ式ロールカーテン」だ。
名前からは戦車の履帯のような無骨な機構を想像してしまうが、実際には全然違う。
「見せる」「見せかける」「隠す」「誘惑する」
この4モードを実現する、画期的な素材と構造。
つまり、これは視覚による外交ツールだ。
私は、少しだけカーテンを開けてみた。
すると、隣のブースの誰かも同時にカーテンを開けてきた。
……「目が合った」。
目が合ったのだ。
カーテン越しに、ほぼ全裸で、カーテンを操作する人間と目が合ったのだ。
これはもう、恋である。
いや、状況的には外交関係樹立である。
あのボックスの正体とは?
中央の八角形のボックス。
私はこれを「メインステージ」と呼んでいた。
このボックスには人が吸い込まれていく。
人が出てきては、また入る。
まるで新大阪駅の自動改札のよう。
だがそこには、切符もないし、行先もわからない。
内装はというと……想像以上にクッション性が高く、ミラーボール的光の洪水。
おだやかなるカオスとでも呼ぶべきか。
見渡すと、そこには数人の男たちが…
全員「トップスのみ」だった。
もはや哲学である。
服とは何か?
なぜ下は脱ぐのに上は着る?
私は「存在とは何か」という問いに近づきかけていた。
「ノリがすべて」理論
誰かが言っていた。
「ハッテン場はノリが通貨や」
まったくその通りである。
外見でも年齢でも、国籍でもない。
ノリがあれば通じる。
ノリがなければ終了。
ある瞬間、私は目が合っただけで肩をポンと叩かれた。
その後、無言のうちに2人でメインステージへ。
これはもう、セリフのないミュージカルである。
リズムだけが導いてくれる。
360度とは他人の目である
360度見えるとは、つまり「あなたもまた見られている」ということ。
この施設には、全方位からの「観察」が存在する。
誰かが見ていて、誰かが見られている。
「隠れたいが、ちょっとだけ見せたい」という乙女心を持った中年男子がここには無数にいる。
そのうちの一人が私だった。
男たちはなぜ、ここに集まるのか?
それは、たぶん「都市の孤独」を脱ぎたいからだ。
この世界では、匿名性がバリバリに保たれる一方で、
匿名なのに他人と目線を交わすハッテン場の奇跡が頻発する。
スマホ越しじゃなく、生の呼吸、生の視線、生の躊躇。
それを味わいに、人はこのキラキラの空間に集まるのだ。
たまに何も起きなくてもいい。
ただ、そこにいること自体が大事なのだ。
PANIC8plusが提示する人間のゆらぎ
この空間には、完全性と不完全性が共存している。
- 全方向から見えるが、全方向からは逃げられない
- ムードはあるが、セリフはない
- 見せることで隠す、隠すことで見せる
そんなパラドクスの塊が、妙に心地よい。
これは、ある種のアートである。
また、私は階段を降りていく
数時間後、私は汗だくで建物を出た。
街はまだまぶしく、風が少しだけ優しかった。
私はこの体験を友人にどう説明すればいいのか悩んでいる。
「クラブのようでクラブじゃなく、ラブホテルのようでホテルじゃなく、
哲学のようで、ただの360度だったよ。」
そう言っても伝わらないだろう。
でも、また行ってしまう。
今度は、誰かを連れて。