海といえば、誰にとっても開放的な空間です。
しかし、ゲイにとっての海、
特にゲイが集まる「ゲイビーチ」は、少し特別な意味を持っています。
ノンケが多数を占める公共のビーチでは、つい周囲に気を使ってしまったり、視線を避けたり、カミングアウトしていないことを前提に立ち振る舞う必要がある場面もあるでしょう。
その一方でゲイビーチでは、そういった緊張感を少しだけ手放し、「自分のままで」過ごせる空気があります。
ゲイビーチとは?
定義と位置づけ
ゲイビーチとは、ゲイの人たちが多く集まることで知られている海岸の通称で、口コミやSNS、掲示板などを通じて、自然発生的に「ここはゲイが集まる」と広まった場所です。
一部では「ハッテンビーチ」と呼ばれるように、性的な出会いの場として使われるケースもありますが、全てのゲイビーチがそういう目的で使われているわけではありません。
実際には、
- 単に人目を気にせず過ごしたい
- 同じセクシュアリティの人と自然に交流したい
- 日焼けやアウトドアを楽しみながら、少しの刺激を求めたい
といった、リラックスとつながりを求めて訪れる人も多いです。
ゲイビーチの種類
日本のゲイビーチには、大きく分けて2タイプあります。
1. 社交型ビーチ
- 比較的オープンな場所
- 仲間とピクニックや日光浴を楽しむ
- ナンパや会話をしやすい雰囲気
- 若い層〜中年層まで幅広く集まる
これは出会いというよりも居場所の感覚が近く、誰かと出会うことが目的でなくても気軽に参加しやすいのが特徴です。
例:稲毛海岸(千葉)
2. ハッテン型ビーチ
- 周囲の視線が届きにくい立地
- 岩場や茂みが多く、探索要素が強い
- 体型や年齢層がある程度偏る(ガチムチ、中年など)
- マナーが重要視され、無言のルールも多い
こういった場所では、明確に「性的な出会い」が目的の来訪者も多くなります。
ある意味、匿名性が高く、スリルや非日常感を求める人が集まりやすい傾向にあります。
例:釣師海岸(千葉)
ゲイビーチでの過ごし方
✅ 1人で行っても大丈夫?
もちろんです。
むしろ、ゲイビーチには1人でふらっと訪れる人がとても多いです。
読書をしたり、音楽を聴いたり、浜辺を歩いたり。
その中で、自然と目が合ったり、声をかけられたりする流れが一般的です。
ただし「話しかけられるのを待っているだけ」では、何も起きない場合もあります。
視線や距離感、さりげない表情のやり取りが“会話の前段階”ということも。
✅ 必要な持ち物
- 日焼け止め(必須!)
- サングラス(視線のやり取りが自然に)
- 飲み物や簡単なお菓子
- シートまたはタオル
- モバイルバッテリー(連絡手段の確保に)
※ハッテン型の場合、虫除けや懐中電灯があると便利です。
マナーと注意点
公共の場であることを忘れずに
ゲイビーチは、あくまでも「共有スペース」です。
出会いの空気があったとしても、全員がそれを目的にしているわけではありません。
過度な露出や、露骨な行為は避けましょう。
また、ゴミの放置や騒音もご法度です。
👑ゲイビーチ四天王
ここで、日本でも特に知られている代表的な4つのゲイビーチを紹介します。
各スポットの詳細は別記事でまとめていますので、ここでは概要だけを記載します。
● 釣師海岸(千葉)
- ハッテンビーチの聖地
- アクセスが難しい分、開放度の高い自然派ビーチ
- 年齢層は高め
- がっちり・ワイルド系が多く、やや上級者向け
● 稲毛海岸(千葉)
- 都心からのアクセスが抜群で、初心者に最適
- 筋トレ系、アウトドア好きが集まる、明るい社交型ビーチ
● 塩屋海岸(兵庫)
- 東が釣師海岸なら、西は塩屋海岸
- 六尺率が高い
- 明るく穏やかな雰囲気のゲイが多い
● 新宮海岸(福岡)
- 九州エリアでは最も定番
- 芝生・浜・林が入り混じる多層構造で、落ち着いた雰囲気
- 地元率高め
日本全国のゲイビーチの詳細はこちら
ゲイビーチは「自由」と「尊重」が共存する場所
ゲイビーチの魅力は、ただ出会えるというだけではありません。
ゲイが、自分のままで自然に過ごせる空間として、貴重な意味を持っています。
誰かと目を合わせて微笑んだり、隣にシートを広げて会話を始めたり――
そこには、SNSやアプリでは得られない、静かな連帯感があります。
ルールを守り、他者を尊重しながら、思いきり自由を楽しんでみてください。
きっと、ひと味違う夏になるはずです。