コラム

【北欧館の後継】ゲイサウナ「北のロイヤル」構想の全貌|大阪発、伝説の再来なるか?

2023年3月31日、大阪・堂山町の老舗ゲイサウナ「北欧館」と、その姉妹店である新世界の「ビジネスインロイヤル」が、事前告知もなく突然閉館しました。

このニュースは、SNSを中心にゲイコミュニティ内で大きな衝撃をもって受け止められました。

特に「北欧館」は、40年以上にわたり大阪のゲイカルチャーの中心的存在として親しまれてきた施設であり、その閉館は多くの人々にとって「居場所の喪失」を意味しました。

しかし、閉館から約半年後、ある一人の人物が「北欧館」のアイデンティティを受け継ぐ新たな施設の構想を発表しました。

その名も「北のロイヤル」。

「北のロイヤル」の構想とその意義、そしてゲイコミュニティにとっての「居場所」の再生について考察します。

1. 「北のロイヤル」とは何か?

「北のロイヤル」は、閉館した「北欧館」と「ビジネスインロイヤル」の精神を受け継ぐ新たなゲイサウナ施設として構想されています。

このプロジェクトの中心人物は、Xユーザーの「なかぽん」氏(@nakapon917)であり、彼はSNSを通じて施設の再建に向けた情報発信を行っています。

「北のロイヤル」は、旧施設の名称を組み合わせたネーミングであり、過去の施設の良さを継承しつつ、新たな時代に対応した施設を目指しています。

具体的な場所や開業時期については未定ですが、旧「北欧館」や「ビジネスインロイヤル」とは異なる新規開業の形を取る予定です。

2. プロジェクトの背景と課題

旧施設の閉館理由

「北欧館」と「ビジネスインロイヤル」の突然の閉館には、いくつかの要因が考えられます。

まず、コロナ禍によるインバウンド需要の消失と国内利用者の減少が挙げられます。

大阪は関西国際空港を擁し、アジアからのゲイ観光客が多く訪れていましたが、パンデミックによりその流れが途絶えました。

また、24時間営業の大型施設である北欧館は、光熱費や人件費などの固定費が高額であり、エネルギー価格の高騰も経営を圧迫したと考えられます。

さらに、事業継承の問題も影響した可能性があります。

再建プロジェクトの課題

「北のロイヤル」プロジェクトは、旧施設の再建ではなく、新たな施設としての開業を目指しています。

そのため、以下のような課題が存在しました。

  • 資金調達:新規開業には多額の資金が必要であり、クラウドファンディングや投資家の支援が求められます。
  • 場所の確保:適切な立地の物件を見つけることが重要であり、旧施設の跡地を利用することは難しいとされています。
  • 法的・行政的手続き:保健所の許可や建築基準法など、各種法的手続きをクリアする必要があります。
  • コミュニティの支持:ゲイコミュニティからの支持を得ることが、施設の成功に不可欠です。

しかし、それらの課題を乗り越えて、2025年6月現在、着工の準備が着々と進められています。

「なかぽん」氏をはじめとして、ゲイコミュニティの素晴らしいエネルギーを感じます。

3. ゲイコミュニティにとっての「居場所」の再生

「北のロイヤル」プロジェクトは、単なるサウナ施設の再建ではなく、ゲイコミュニティにとっての「居場所」の再生を目指しています。

リアルな交流の場が減少する中で、安心して集える空間の提供は、コミュニティの維持・発展にとって重要です。

また、新たな施設では、従来の発展場のイメージを刷新し、清潔感や安全性、多様性を重視した運営が求められます。

これにより、若年層や初心者も利用しやすい環境を整えることが可能となります。

4. 今後の展望と期待

「北のロイヤル」プロジェクトは、ゲイコミュニティの中で注目を集めています。

今後、具体的な進捗状況が明らかになることで、さらなる支持を得ることが期待されます。

また、このプロジェクトをきっかけに、他の地域でも同様の動きが生まれる可能性があります。

ゲイコミュニティが自らの手で「居場所」を創造・維持していくことが、今後の課題となるでしょう。

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